お散歩の途中、ポケットいっぱいにどんぐりを詰め込んで戻ってくる子どもたち。秋ならではのこの光景は、保育の現場にとって製作アイデアの宝庫でもあります。今回は、どんぐりや落ち葉を使った製作アイデアを年齢別に紹介しながら、誤飲対策や下処理の方法など、安全に楽しむためのポイントもまとめました。
この記事でわかること
- どんぐり・落ち葉を使った年齢別の製作アイデア
- 拾ってきた自然物の下処理方法(虫対策など)
- 誤飲・衛生面で気をつけたいポイント
この記事は、現役保育士(保育士歴6年)の「あやせん」が執筆しています。詳しいプロフィールは運営者情報をご覧ください。
拾ってきた自然物、使う前の下処理を忘れずに
どんぐりや落ち葉は、拾ったその日に持ち帰った状態のまま使うと、中から虫が出てきてしまうことがあります。製作に使う前に、簡単な下処理をしておきましょう。
- どんぐりの煮沸消毒:鍋に水とどんぐりを入れ、5〜10分ほど煮沸することで、中の虫や卵を処理できます。煮沸後はしっかり乾燥させてから使用しましょう。
- 冷凍処理:煮沸が難しい場合は、ジップロックなどに入れて数日間冷凍する方法もあります。
- 落ち葉の乾燥:新聞紙に挟んで数日間乾燥させると、扱いやすくパリッとした質感になります。
年齢別・どんぐり&落ち葉の製作アイデア
【0〜1歳児】
まだ誤飲のリスクが高い時期なので、どんぐりそのものを直接扱うのは避け、落ち葉を中心に楽しみます。大きめの落ち葉を手のひらで触ってみる、カサカサという音を楽しむなど、感触遊びとして取り入れるのがおすすめです。
【2歳児】
落ち葉を画用紙に自由に貼り付ける「落ち葉コラージュ」が楽しめる時期です。どんぐりを扱う場合は、必ず保育者が見守りながら、大きめのどんぐりを選んで活動しましょう。
【3歳児】
どんぐりに顔を描いたり、シールを貼ったりする製作に挑戦できます。指先を使う力が育ってくる時期なので、どんぐりの帽子(殻斗)部分に穴を開けてもらい、紐を通すネックレス作りも人気です(穴あけは保育者が行いましょう)。
【4歳児】
落ち葉やどんぐりを組み合わせた「秋の生き物」製作(どんぐりの人形、落ち葉のお面など)に取り組めます。素材の組み合わせ方を自分で考える楽しさが味わえる時期です。
【5歳児】
どんぐりごまや、落ち葉の図鑑作りなど、より発展的な活動に挑戦できます。拾った落ち葉の種類を友だちと見比べたり、図鑑で調べたりする活動を通して、自然への関心をさらに広げられます。
現場で人気の製作アイデア3選
①どんぐり人形
製作のねらい:どんぐりの形や感触に親しむ/顔を描くことで表情や個性を表現する楽しさを味わう/自分だけの人形が完成する喜びを感じる
導入の仕方:実物のどんぐりを見せながら「このどんぐりに、お顔を描いてあげたらどんな子になるかな?」と問いかける。保育者があらかじめ見本を1つ作っておき、表情の違いを見せると興味が広がる。
事前準備:どんぐりの煮沸消毒・乾燥を済ませておく/帽子(殻斗)部分は接着しやすいよう位置を合わせておく/油性ペン、丸型シールなどを用意する
準備物:どんぐり(下処理済み)、油性ペン、丸型シール、接着剤(必要に応じて)、毛糸(装飾用、必要に応じて)
作り方(3工程):①どんぐりの中から顔になる面を選ぶ ②油性ペンやシールで目・鼻・口を描く(貼る) ③好みで帽子部分や毛糸などを使って装飾を加える
保育者の援助:ペンをまだうまく扱えない子には手を添えて一緒に描く/「どんな顔にする?」と対話しながら表現の後押しをする/ペンが難しい子にはシールでの表現も提案する
環境構成のポイント:誤飲防止のため少人数ずつ・保育者の目が届く範囲で実施する/どんぐりが転がらないよう机にトレーを敷いておく/完成品を乾かして飾れるスペースを確保する
②落ち葉コラージュ
製作のねらい:落ち葉の色・形・感触の違いを楽しむ/自由に貼ることで自分なりの表現を楽しむ/秋の自然に親しむ
導入の仕方:散歩や園庭で拾った落ち葉をみんなで見せ合い、「どんな形があるかな」「色も違うね」と一緒に観察する時間を作る。0〜1歳児には、落ち葉を踏んだり握ったりして「カサカサ」という音や感触を楽しむところから始めるのもおすすめ。
事前準備:落ち葉を新聞紙に挟むなどして乾燥させておく/画用紙・のり(またはボンド)を用意する/誤飲リスクを避けるため大きめの落ち葉を中心に選んでおく
準備物:落ち葉(乾燥済み・種類ごとに分けておくと良い)、画用紙、のり(または液体ボンド)、クレヨン(装飾用)、汚れ防止シート
作り方(3工程):①好きな落ち葉を選ぶ ②画用紙の好きな場所にのりで貼っていく ③好みでクレヨンなどを使い周りに装飾を加える
保育者の援助:0〜1歳児はのりの扱いが難しいため、シールタイプの糊やテープを活用するか保育者が手を添える/「これはどこに貼ろうか」と声をかけ配置を一緒に考える
環境構成のポイント:テーブルが汚れても良いようシートを敷く/落ち葉は種類ごとにトレーに分けておくと選びやすい/作品を乾燥させて置いておくスペースを確保する
③どんぐりネックレス
製作のねらい:指先を使って紐を通す動作に集中する/完成した作品を身につける喜びを味わう/数を数えたり並べ方を工夫したりする経験をする
導入の仕方:保育者が作った見本のネックレスを身につけて見せ、「みんなも、自分だけのネックレスを作ってみようか」と誘う。どんぐりに穴が空いている様子を見せると、「なんで穴あいてるの?」と興味を持つきっかけになる。
事前準備:どんぐりの下処理(煮沸消毒等)を済ませておく/どんぐりへの穴あけは、必ず保育者が事前にキリや小型ドリルなどで行っておく(安全のため子どもに任せない)/紐(毛糸やタコ糸など、通しやすい太さのもの)を用意する
準備物:どんぐり(下処理済み・穴あけ済み)、紐(毛糸またはタコ糸)、セロテープ(紐の先端補強用)、トレー(未処理のどんぐりと混ざらないよう分けて置く)
作り方(3工程):①好きなどんぐりを選ぶ ②穴に紐を通していく ③好きな長さまで通したら結んで完成
保育者の援助:紐通しが難しい子には紐の先にセロテープを巻くなどして持ちやすく工夫する/一緒に数を数えながら通すことで数への関心にもつなげる/結ぶ工程は年齢に応じて保育者が手伝う
環境構成のポイント:穴あけ済みのどんぐりのみを子どもの手の届く場所に置き、未処理のものと混ざらないよう管理する/紐の端を机に固定できるクリップなどがあると通しやすくなる/3歳児以上を対象に、少人数制で目の届く環境で行う
誤飲・安全面で気をつけたいこと
どんぐりは、0〜2歳児クラスにとって誤飲事故につながりやすい大きさです。特に小さめのどんぐり(コナラなど)は、子どもの気道をふさぐサイズに近いため、乳児クラスでは直接手渡さず、大きめのクヌギのどんぐりを選ぶ、保育者が常に目を離さないなど、細心の注意が必要です。
また、拾ってきた自然物にはカビや土の汚れが付着していることもあるため、活動後は手洗いを徹底しましょう。持ち帰りを希望する保護者には、下処理の方法を一言添えて伝えると親切です。
現場からのひとこと
どんぐり拾いに夢中になっていたある子が、家に帰ってからもポケットにどんぐりを入れっぱなしにしていたらしく、後日「せんせい、どんぐりからむしがでてきた」と半分泣きそうな顔で報告してくれたことがありました。それ以来、その子は誰よりも先に「煮沸消毒しなきゃ」と声をかけてくれるようになり、思わぬ形で学びにつながった出来事です。
まとめ
どんぐりや落ち葉は、特別な道具がなくても季節を感じられる、身近で豊かな製作素材です。誤飲や衛生面への配慮を忘れずに、子どもたちが拾ってきた「秋の宝物」を、製作活動を通してさらに楽しい思い出に変えていきたいですね。


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