「入園したときはまだ寝返りもできなかったのに」——3月の職員室では、そんな声がよく聞かれます。0歳児クラスの子どもたちは、この1年でしっかり歩き回り、言葉を発するまでに大きく成長しています。本記事では、年度末という時期ならではの視点を盛り込んだ個人案文例をご紹介します。自園の書式に合わせてご活用ください。
この記事は、現役保育士(保育士歴6年)の「あやせん」が執筆しています。詳しいプロフィールは運営者情報をご覧ください。
◎低月齢(1歳0か月〜1歳5か月)
ねらい
- 歩行がさらに安定し、物を持ちながら歩くことができるようになる。
- 手を使った遊び(組み立てや積み木)を通して、指先の器用さを育む。
- 他の子どもと一緒に遊び、協力して物を使った遊びができるようになる。
- 簡単な言葉で自分の気持ちを表現できるようになる。
- より多くの感覚を使い、触ったり、舐めたりすることで物の特徴を学ぶ。
- 1年間の生活の積み重ねを土台に、進級への心構えを少しずつ整える。
保育者の配慮
- 歩行をサポートし、転倒防止に配慮した環境を整える。
- 手先を使った遊びを取り入れ、指先の発達をサポートする。
- 他の子どもと一緒に遊べるように、協力的な遊びを提供する。
- 簡単な言葉を使って自己表現できるように言葉かけを積極的に行う。
- 感覚遊びを通して、物への興味や探索を促す。
- クラス替えや担任交代がある場合は、事前に子どもの様子を丁寧に引き継ぐ。
◎高月齢(1歳6か月〜1歳11か月)
ねらい
- 歩行や走ることができ、自己移動の自由度が増す。
- 物を使った複雑な遊びができるようになり、創造的な遊びを楽しむ。
- 自分の意志を言葉で表現することができるようになる。
- 他の子どもと意見を交換し、一緒に遊ぶことで協調性を育む。
- 親しい人との関わりを通して、愛情表現や安心感を深める。
- 春の陽気を感じながら、戸外での活動を楽しむ。
保育者の配慮
- 安全な遊び場を提供し、自由に動き回れる環境を整える。
- 創造力を引き出す遊びや積み木など、発達を促進するおもちゃを取り入れる。
- 言葉を使った自己表現をサポートし、言葉の発達を促進する。
- 社会的な遊びを通じて、協調性やコミュニケーション能力を育む。
- 愛情をもって関わり、安心感を提供するよう配慮する。
- 環境の変化に敏感になりやすい時期のため、いつも以上に丁寧なスキンシップを心がける。
現場からのひとこと
朝の受け入れで泣いていた子が、隣の部屋から聞こえてきた卒園式の練習の歌声に耳を澄ませ、いつの間にか泣き止んでいたことがありました。まだ言葉を話せない子どもでも、周りの空気の変化はしっかり感じ取っているのだと実感した出来事です。進級・卒園が近づくこの時期は、大人が思う以上に子どもたちの心も揺れ動いています。個人案の中にも「その子なりの安心材料」を見つける視点を、ぜひ入れてみてください。
まとめ
3月は1年間の成長を振り返りながら、次のクラスへの橋渡しをする時期です。個人案を立てる際は、発達の記録だけでなく、環境の変化に対する一人ひとりの心の動きにも目を向けていきましょう。



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