【保育士向け】保育園のハロウィン完全ガイド|ねらい・年齢別の楽しみ方・アレルギーと安全の配慮

ハロウィン 保育アイデア
ハロウィン

10月に入ると、保育室にかぼちゃやおばけの飾りが並び始めます。ハロウィンは子どもたちがワクワクする行事ですが、保育者にとっては「どこまでやる?」「お菓子はどうする?」「仮装を嫌がる子には?」と悩みの多い行事でもあります。この記事では、ハロウィンの由来とねらい、年齢別の楽しみ方、すぐ使える活動アイデア、そしてアレルギー・誤嚥・仮装まわりの配慮点まで、現場目線でまとめました。

この記事でわかること

  • ハロウィンの由来と、保育で行う意味(ねらい)
  • 0〜5歳児の年齢別の楽しみ方
  • 活動アイデア3選(準備物・進め方・保育者の援助・環境構成つき)
  • お菓子・仮装・安全面で気をつけたい配慮点
  • 保護者への伝え方(おたより文例つき)

この記事は、現役保育士(保育士歴6年)の「あやせん」が執筆しています。詳しいプロフィールは運営者情報をご覧ください。

ざっくり言うと
・ハロウィンは「秋の収穫を祝い、悪いものを追い払う」行事が起源と言われています
・保育では「お菓子集め」ではなく、仮装やごっこ遊び、製作を通した季節の行事体験として位置づけると進めやすくなります
・特に気をつけたいのは食物アレルギー、誤嚥・窒息、仮装による転倒や視界の悪さの3点です

ハロウィンとは?由来を子どもに伝えるなら

ハロウィンは、古代ケルト人の「サウィン祭」が起源と言われています。当時は10月31日が1年の終わりとされ、秋の収穫を祝い、新年を迎える行事でした。この日は亡くなった人の霊が戻ってくると信じられており、悪い霊から身を守るために仮装をしたり、魔除けのかぼちゃのランタン(ジャック・オー・ランタン)を飾ったりする風習が生まれたとされています。

日本では、1970年代後半にお菓子業界などが商業イベントとして取り上げたことをきっかけに広まり、1990年代にテーマパークのイベントなどを通じて「仮装を楽しむ行事」として定着してきました。つまり日本のハロウィンは、本来の宗教的な行事というより、季節を楽しむ文化行事として親しまれている面が大きいと言えます。

子どもに伝えるときは、由来を詳しく説明する必要はありません。「秋においしいものがたくさんとれたね、ありがとうの気持ちのお祭りなんだよ」「おばけの格好をして、みんなで楽しむ日だよ」と伝えてみてください。

保育園でハロウィンを行うねらい

  • 季節の行事に親しむ:かぼちゃや秋の恵みに触れ、季節の移り変わりを感じる
  • なりきる楽しさを味わう:仮装やごっこ遊びを通して、イメージを膨らませ、表現する力を育てる
  • 友だちと一緒に楽しむ:同じ場で「トリック・オア・トリート」などのやり取りを楽しみ、関わりを広げる
  • 自分で作る喜びを感じる:製作を通して、手先の使い方や達成感を経験する

月案や指導案に書く場合は、「保育者や友だちと一緒に、ハロウィンの雰囲気を楽しむ」「なりきって遊ぶ楽しさを味わう」など、行事そのものより子どもの経験に焦点をあてた表現にすると自然です。月案の書き方は、各年齢の10月月案の記事(0歳児・1歳児・2歳児・3歳児・4歳児・5歳児)も参考にしてください。

年齢別|ハロウィンの楽しみ方の目安

0歳児
仮装は無理にせず、かぼちゃやおばけの飾りを見たり触れたりして雰囲気を味わいます。カラーポリ袋のかぼちゃ(中に新聞紙を入れたもの)を触る、保育者の帽子やマントを見て笑う、など、感触や保育者とのやり取りを楽しめれば十分です。

1歳児
カチューシャやマントなど、ごく簡単な小物を試してみる程度から。嫌がったらすぐ外せるようにし、「やりたくない」気持ちを尊重します。かぼちゃ型の紙にシールを貼るなど、短時間で終わる製作が向いています。

2歳児
「おばけだぞー」など簡単ななりきり遊びが盛り上がります。バッグを持って保育者に「ちょうだい」と伝える、「ありがとう」と受け取るなど、やり取りを経験する時期です。

3歳児
ごっこ遊びの中でなりきりを楽しめるようになります。簡単な仮装を自分で身につけたり、「トリック・オア・トリート」の合言葉を友だちと一緒に言う楽しさを味わえます。

4〜5歳児
自分で作った仮装や小物を使い、ストーリーのあるごっこ遊びに発展させられます。他クラスを訪ねる「ハロウィンパレード」や、年下クラスをもてなす役など、役割のある活動も楽しめます。

活動アイデア1|おばけバッグ作り(2〜5歳児)

ねらい:自分で作ったバッグをハロウィン遊びに使うことで、作る喜びとなりきる楽しさを味わう。

導入
絵本や手作りのおばけの人形を見せながら「今日はおばけのバッグを作るよ。このバッグがあると、おばけのお友だちが遊びに来てくれるかも」と、期待が高まる声かけをします。

事前準備(保育者)

  • 紙袋(持ち手つきの小さなもの)の人数分、または画用紙で袋型を作っておく
  • おばけの目・口の形(白と黒の画用紙)をあらかじめ切っておく
  • 持ち手がちぎれないよう、補強用のテープを貼る

準備物
紙袋・白い画用紙・黒い画用紙・のり・クレヨンまたはシール・ハサミ(4〜5歳児)

作り方(3工程)

  1. 白い画用紙のおばけを紙袋に貼る
  2. 目や口を貼り、クレヨンで顔を描き足す
  3. シールやクレヨンで自由に飾りつけをする

保育者の援助

  • 2〜3歳児は、のりを塗る部分を保育者が先に指さして伝え、貼る作業に集中できるようにする
  • 4〜5歳児は、顔の表情を自由に考えられるよう、見本を1つだけ見せて決めつけないようにする
  • 「怖い顔」より「かわいい顔」を作りたい子もいるので、どんなおばけでも認める声かけをする

環境構成
作業テーブルごとに材料を小分けにして置き、取り合いにならないようにします。完成したバッグは、乾く場所と名前を書くスペースをあらかじめ用意しておくとスムーズです。

活動アイデア2|園内トリック・オア・トリートごっこ(3〜5歳児)

ねらい:合言葉を使ったやり取りを通して、友だちや保育者との関わりを楽しむ。

導入
「今日は園におばけたちがやって来るよ。『トリック・オア・トリート』って言うと、お部屋の人が『ハッピーハロウィン』って返してくれるんだって。みんなでやってみよう」と、合言葉を一緒に練習します。

事前準備(保育者)

  • 訪問先(園長室・調理室・他クラスなど)に事前に協力をお願いしておく
  • お礼にもらうものはお菓子ではなく、シール・折り紙・手作りのメダルなどにする(理由は後述の配慮点を参照)
  • 歩く順路を決め、混雑や転倒の危険がないか下見しておく

準備物
前述のおばけバッグ・仮装の小物(帽子やマントなど)・もらえるシールやメダル

進め方(3工程)

  1. クラスで合言葉と約束(走らない、順番に言う)を確認する
  2. 保育者と一緒に各訪問先をまわり、合言葉を言ってシールをもらう
  3. クラスに戻り、「どこに行った?」「何をもらった?」と振り返る

保育者の援助

  • 恥ずかしくて言えない子には、保育者が一緒に言う、友だちとペアで言うなど、無理のない形をつくる
  • 訪問先の職員にも、「どの子にも同じように声をかけてほしい」と事前に伝えておく
  • 仮装で視界が狭い子や、動きにくい子のそばに保育者がつき、転倒を防ぐ

環境構成
廊下は、ほかのクラスの活動の邪魔にならない時間帯を選びます。待っている間の動線を決め、順番待ちの場所に目印(テープ)を貼っておくと安全です。

活動アイデア3|かぼちゃランタン作り(1〜5歳児)

ねらい:秋の素材に親しみながら、光る飾りを作る楽しさと、完成したものを部屋に飾る喜びを味わう。

導入
「かぼちゃの顔の中に、小さな光を入れたら、どんなふうに見えるかな?」と、実際に電池式のライトを見せて、興味を引き出します。

事前準備(保育者)

  • 透明の紙コップまたはクリアカップの人数分を用意する
  • オレンジ色の薄い紙(セロハンや和紙)を、カップに合わせて切っておく
  • LED電池式ライト(火は使わない)を用意し、電池が取り出せないことを確認する

準備物
透明カップ・オレンジ色のセロハンまたは和紙・黒い画用紙(目・鼻・口の形)・のり・LEDライト

作り方(3工程)

  1. カップの外側にオレンジ色の紙を貼る
  2. 黒い画用紙で目・鼻・口を作って貼る
  3. カップの中にLEDライトを入れて点灯させる

保育者の援助

  • 1〜2歳児は、貼る作業を保育者と一緒に行い、完成の喜びを共有する
  • LEDライトは、乳幼児が口に入れないよう、保育者が管理して最後に入れる
  • 顔の形は自由に考えられるよう、さまざまな表情の例を壁に掲示しておく

環境構成
薄暗い場所を作る「暗くする遊び」を取り入れる場合は、怖がる子がいないか確認し、いつでも明るい場所に戻れるようにします。

秋の自然素材を使った製作は、どんぐり・落ち葉の製作アイデアの記事でも紹介しています。

ハロウィンで気をつけたい配慮点

① 食物アレルギーへの配慮

お菓子の配布や、食材を使った活動は、食物アレルギーのある子どもにとってリスクになります。厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」では、保育所で初めて食べる食品は原則提供しないという考え方が示されていますが、ハロウィンのお菓子はこの原則から外れやすい場面です。

  • 園内でのやり取りは、お菓子ではなくシールや手作りのメダルなどにすると、アレルギーのある子も安心して参加できる
  • お菓子を使う場合は、原材料表示を必ず確認し、保護者と事前に共有する
  • 小麦粉粘土など、食材を使った製作は、アレルギーのある子が触れて症状が出ることもあるため、事前に確認が必要
  • 保護者が持ち込んだ食べ物は、誤食を防ぐために、原則として園では配らない・預からないなど、園内のルールを決めておく

② 誤嚥・窒息への配慮

消費者庁は、5歳以下の子どもは奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではないため、硬い豆やナッツ類を食べさせないよう注意喚起しています。また、ミニトマトやブドウなどの球状の食品は丸ごと食べさせると窒息のリスクがあるため、4等分にするなどの工夫が必要とされています。

ハロウィンでは、個包装のお菓子やナッツ入りのお菓子が出回る時期でもあります。園で扱う場合は、次の点を意識しましょう。

  • 5歳以下の子どもに、硬い豆やナッツ類を含むお菓子を配らない
  • 食べているときは座って、食べることに集中する(歩きながら・走りながら食べない)
  • 口に物を入れたまま、笑ったり、声を出したりしないよう声をかける
  • 活動後は、床に落ちたお菓子や包装が残っていないか、すぐに確認して片付ける

③ 仮装の安全・快適さへの配慮

  • 視界を遮らない:お面や目の部分が隠れるマスクは、視界が狭くなって転倒しやすいため避け、顔が見える帽子やカチューシャを選ぶ
  • 裾の長さに注意:マントやスカートが長すぎると、階段や遊具で引っかかる。足元が見えるくらいの長さにする
  • 首まわりに注意:首にひもが巻きつく形の飾りは避け、すぐに外れる素材にする
  • 暑さ・動きやすさ:重ね着や厚手の衣装は、体温調節がしにくい。活動後に脱ぎ着しやすいかも考える
  • 感覚が敏感な子:チクチクする素材や、顔につくものが苦手な子もいる。着られなくても参加できるよう、小物だけでもOKとする

④ 参加の仕方は「選べる」ように

ご家庭によっては、宗教上の理由や価値観から、ハロウィンへの参加を控えたい場合があります。また、おばけやお面を怖がる子もいます。

  • 事前に保護者へ活動内容を伝え、参加の仕方を相談できる機会をつくる
  • 仮装しなくても、見学したり、製作だけ参加したりと、参加の仕方を選べる形にしておく
  • 怖がる子には、無理に近づけず、安心できる保育者のそばで様子を見られるようにする
  • 仮装した保育者が突然現れるなどの演出は、年齢が低いほど避ける

保護者への伝え方|おたより文例

仮装や持ち物のお願いがある場合は、早めにおたよりでお知らせします。以下は、そのまま使える文例です。文例は園の方針に合わせて調整してください。

【ハロウィンの活動についてのお知らせ】
10月〇日(〇)に、園でハロウィンの活動を行います。子どもたちが季節の行事を楽しめるよう、おばけバッグ作りや、園内を歩いて職員とやり取りをする「トリック・オア・トリートごっこ」を予定しています。
・当日は、帽子やカチューシャなど、簡単な小物を身につけて参加することもできます(無理のない範囲で、ご家庭の判断で構いません)。
・食物アレルギーへの配慮のため、お菓子の配布は行わず、シールなどを使用します。
・仮装をしたくないお子さんや、ご家庭の事情で参加を控えたい場合は、遠慮なく担任までお知らせください。
お子さんが安心して楽しめるよう、職員一同、配慮して進めてまいります。

文章作成に時間がかかる場合は、おたより作成に使えるChatGPTプロンプト集や、おたより書き出し文例集も活用してください。

現場からのひとこと

仮装を楽しみにしていた子が、当日になって突然「やっぱりやりたくない」と泣き出したことがありました。無理にすすめず、「見ているだけでいいよ」と伝え、保育者のそばで友だちの様子を見られるようにしたところ、しばらくしてから自分で帽子だけかぶりに来てくれました。行事は「全員が同じことをする」ことが目的ではなく、一人ひとりが自分のペースで楽しめる形を用意することが大切だと実感した出来事です。

よくある質問

Q. 保育園でお菓子を配ってもいいですか?
A. 園の方針によりますが、食物アレルギーのある子どもがいる場合は、お菓子ではなくシールや手作りのメダルなどにするのが、誤食を防ぐうえで安心です。お菓子を使う場合は、原材料の確認と保護者への事前連絡が欠かせません。

Q. 仮装は何歳から取り入れられますか?
A. 年齢で一律に決まりはありませんが、0歳児は雰囲気を味わう程度、1歳児は帽子やマントなどの小物から、2歳以上はなりきり遊びとして楽しめることが多いです。どの年齢でも、嫌がったらすぐ外せるようにしておきましょう。

Q. ハロウィンに参加したくないご家庭にはどう対応すればいいですか?
A. 事前に活動内容をおたよりで伝え、参加の仕方を選べるようにします。仮装なし・製作のみ参加・見学のみなど、柔軟な形を用意しておくと、保護者も子どもも安心できます。

まとめ

保育園のハロウィンは、「かわいい仮装をする行事」で終わらせず、季節の行事を楽しみながら、なりきる楽しさや友だちとの関わりを経験する場にできると、保育の質が高まります。一方で、食物アレルギー、誤嚥・窒息、仮装による転倒、ご家庭の考え方への配慮は欠かせません。無理なく、安全に、子どもたちが自分のペースで楽しめる行事にしていきましょう。

参考:
厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」
消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」

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