このページでは、保育園・幼稚園で使える年間カリキュラムの文例を、年齢別にわかりやすくまとめました。
忙しい保育士さん、園の先生方の“おたすけ”になるよう、実用性を重視して作成しています。
どうぞ、保育現場の毎日の計画作成にお役立てください!
年間カリキュラム文例まとめ|年齢別
◎年間カリキュラムとは
年間カリキュラムとは、1年間を通して子どもたちがどのように育っていくことを目指し、どんな保育活動を展開していくかをまとめた計画です。
年度の初めに作成し、園全体・クラス単位で共有しながら、
日々の保育や行事・活動の柱となる大切な役割を果たします。
◎年間カリキュラム作成ポイント
①1年後に育って欲しい姿(1年間のねらい)を決める
年度を通してどのような子どもを育てたいかを考えます。これを年間目標にします。
【例】
- 心身ともに健康で意欲的に遊ぶ
- 自分で考え、友だちと協力しながら行動する
②第4期から作成する
第4期から作成することによって、第4期の姿になるためのねらいを第3期に書くといった風に段階を踏んで作成することができます。
【例】3歳児 表現のねらい
第4期
- 友達と合奏する楽しさを味わう
第3期
- 曲に合わせて楽器を演奏することを楽しむ
第2期
- リズムに合わせて楽器を鳴らす
第1期
- 楽器に触れて、音を出す楽しさを味わう
年齢別・年間カリキュラム作成ポイント
0歳児
- 安心できる人・環境との関係を築く
- 基本的生活習慣(食事・排泄・睡眠)の確立
- 五感を使った感覚的な遊び中心
✔️ ポイント:「個別の生活リズム」を尊重し、無理のない見通しを立てる
1歳児
- 自己主張・自分でやりたい気持ちを育てる
- 生活習慣の見通しと自立を支える
- 外遊び・感触遊びなどの体験活動を充実
✔️ポイント:「できた!」をたくさん積み重ねられる計画を
2歳児
- 言葉の爆発期を意識し、表現活動を取り入れる
- 生活習慣を「自分でできる喜び」へつなぐ
- ごっこ遊びなどの模倣活動が盛んに
✔️ポイント:「言葉」「生活」「遊び」のバランスを意識
3歳児
- 集団生活の基礎を築く
- ルールのある遊び、簡単な役割遊びを楽しむ
- 自己主張と協調を自然に育てる
✔️ポイント:活動の「見通し」や「達成感」を大切にする
4歳児
- 仲間意識・協同活動を広げる
- 複数人での遊びや製作活動に取り組む
- 挑戦・試行錯誤の経験を支える
✔️ポイント:「みんなでやる楽しさ」「考えて工夫する喜び」を促す
5歳児
- 自立心・責任感・社会性を育てる
- 小学校を見据えた生活習慣の確立
- リーダーシップや思いやりを伸ばす
✔️ポイント:「自ら考え、判断し、行動する力」を支援
保育士としての視点
保育士として、年間カリキュラムは子どもたちの成長を計画的に支援するための重要なツールです。例えば、2歳児の時期に「言葉の爆発期を意識し、表現活動を取り入れる」ことを目標にしたカリキュラムでは、子どもたちが新しい言葉を覚え、表現する喜びを感じる姿を見ることができました。また、保護者との連携を通じて、家庭での様子を共有し、より効果的な支援を行うことができました。
まとめ
年間カリキュラムの作成は、子どもたちの1年間の育ちを見通し、安心して過ごせる保育を計画的に行うための大切な土台です。
保育士としては、「どんな姿になってほしいか」を描きながら、季節ごとの成長や遊びの広がりを見据えて計画することが求められます。私の園でも、「こういう姿に育ってほしい」という思いから逆算して計画するようにしており、それが日々の保育をぶれずに支えてくれる軸になっています。
子どもの育ちは、毎日の積み重ねから生まれます。年間カリキュラムは、保育士と保護者がその積み重ねを「見通し」として共有し、子どもたち一人ひとりが自分らしく育っていくための羅針盤になるものです。これからも、丁寧に子どもたちと向き合いながら、カリキュラムを生きたものにしていきたいと感じています。