ゴールデンウィーク明けの登園しぶり|保育士の声かけと接し方の工夫【年齢別アドバイスつき】
大型連休が終わった5月上旬、保育現場でよく見られるのが「登園しぶり」。
久しぶりの登園に涙ぐむ子、玄関で固まってしまう子、家庭に戻りたがる子…。
これは多くの園児が通る、ごく自然な姿です。
この記事では、登園しぶりが起こる背景と心理を解説しながら、年齢別の対応のヒントや、保育士の声かけ例を紹介します。
1. 登園しぶりが起こる理由とは?
ゴールデンウィーク明けに登園しぶりが起きやすい理由は、主に以下の3つです:
- 家庭での密な関わりの時間から離れる寂しさ
→ 長い休みの間、親子で過ごす時間が増えたことにより「もっと一緒にいたい」と感じる。 - 生活リズムの乱れによる疲れ・不安
→ 寝る時間や起きる時間が遅くなり、朝の準備で心身が追いつかない。 - 園生活に対する緊張の再浮上
→ 新年度が始まって1か月経ったころ、緊張がほぐれた反動で不安が顔を出す。
登園しぶりは一時的なものであり、本人の不安を安心で包みながら徐々に慣れていけるようサポートすることが大切です。
2. 年齢別|登園しぶりのよくある姿と対応のポイント
【0歳児】
- よくある姿:泣く、抱っこから降りない、不機嫌になる
- 対応ポイント:
- 保育士が笑顔で一定のトーンで関わる
- 抱っこや密着時間を大切に
- お気に入りの玩具や布などを活用する
【1歳児】
- よくある姿:登園後、玄関や教室で座り込む・泣く
- 対応ポイント:
- 親が安心して離れられるよう、保育士の受け入れ態度が重要
- 短時間でもスムーズに切り替えができた体験を積ませる
【2歳児】
- よくある姿:「いや!」「おうちがいい!」など言葉で訴える
- 対応ポイント:
- 「〇〇したら、先生と一緒に遊ぼうね」と、見通しのある声かけ
- 好きな遊びに誘導し、成功体験を重ねる
- イヤイヤに共感しながらも、切り替えを支援
【3~5歳児】
- よくある姿:口数が減る、無言で涙を流す、体調不良を訴える
- 対応ポイント:
- 「お休み楽しかったね。どんなことしたの?」と気持ちを引き出す
- 心身の疲れに寄り添う(無理に活動に参加させない)
- 友だちとの再会や楽しみをさりげなく伝える
3. 保育士の声かけ・接し方のコツ
状況 | 効果的な声かけ例 |
---|---|
登園直後の不安そうな子に | 「おはよう。今日は〇〇くんも来てるよ」「待っててくれてうれしいな」 |
涙が出てしまう子に | 「泣いてもいいよ。先生ここにいるからね」 |
ぐずって動けない子に | 「じゃあ一緒に一歩ずつ行こうか」「〇〇のところまで手つなごう」 |
保護者と離れられない子に | 「おうちの人、またお迎えに来てくれるよ。先生と一緒に待ってよう」 |
声かけは、子どもの気持ちに寄り添いながら、先を見通せるような言葉を選ぶことがポイントです。
4. 保護者との連携ポイント
登園しぶりへの対応には、保護者との情報共有も欠かせません。
- 「朝の様子どうでしたか?」と短く聞く習慣を
- 「今日は園でこういう様子でした」と伝えることで安心感を与える
- 「数日続いても心配いりません」と事前に伝えておくと不安を軽減できる
保護者自身も、「うちの子だけが泣いているのでは…」と悩んでいることがあります。
「みんなよくあることですよ」と伝えるだけでも、支えになります。
5. まとめ|安心できる場所づくりが第一歩
ゴールデンウィーク明けの登園しぶりは、子どもの心の成長の一場面。
泣いたり不安になったりするのは、保育士や園が“安心できる存在”として信頼されている証でもあります。
焦らず、責めず、寄り添って、少しずつ園生活への気持ちの切り替えをサポートしていきましょう。
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