「保育士になったはいいけれど、想像以上に大変だった」
これは、私が1年目の春に感じた正直な気持ちです。
子どもと遊ぶだけじゃない、書類、保護者対応、職員間の連携…。
毎日が初めての連続で、自信を失いかけた時期もありました。
でも、あのとき悩んだからこそ、見えてきたこともある。
今回は、新人保育士が現場でつまずきやすい「困りごと7選」とその乗り越え方を、私の体験を交えてご紹介します。
1. 子どもとの関わりがうまくいかない
最初の壁は、やっぱり「子どもとうまく関われない」こと。
話しかけても無視されたり、泣かれてしまったり…。私は最初、「好かれていないのかな」と落ち込みました。
私の園では、“まずは名前をたくさん呼ぶ”ことから始めるのが基本。
「○○ちゃん、おはよう」「○○くん、今日は赤い靴だね」…名前を呼びながら、少しずつ距離を縮めていくと、子どもは心を開いてくれます。
子どもは“安心できる人”と感じた相手に心を許します。最初は焦らず、“見る・待つ・寄り添う”の姿勢が大切です。
2. 書類や記録が多くて混乱する
日誌、個人記録、月案、週案…。正直、こんなに書くことが多いとは思っていませんでした。
私は最初、「全部きれいに書こう」としすぎて時間がかかり、残業も多くなってしまいました。
園長先生からアドバイスされたのは、「“観察したこと”と“気づき”をセットで書く」こと。
たとえば「〇〇くんが一人でブロックをしていた」→「友だちとの関わりに不安があるのかも」といったように、事実と考察を分けると書きやすくなりました。
完璧じゃなくていい。“伝わる記録”を目指すと、気持ちも楽になります。
3. 保護者対応がこわい・不安
「なんて言えば失礼じゃない?」「クレームになったらどうしよう…」
保護者とのやり取りに緊張する新人さんは多いです。私もその一人でした。
ある日、連絡帳にちょっとした言い回しで誤解を与えてしまい、「そんな言い方、冷たく感じます」と言われたこともあります。
私の園では、“子どもの姿をまん中にした対話”を大事にしています。
「今日、こんな姿が見られて嬉しかったです」と前向きなエピソードから話すことで、保護者との関係がぐっとやわらぎます。
保護者も「我が子のことを理解してくれているか」が不安なだけ。丁寧な観察と言葉で安心を届けましょう。
4. 先輩や上司との関係が難しい
先輩のやり方に戸惑ったり、注意されて落ち込んだり…。
私も“何が正解かわからない”日々に、悩みました。
でも、ある先輩に言われた言葉が今でも心に残っています。
「全部をマネしなくていいよ。でも“なぜそうするのか”を聞いてみると学びになるよ」
私の園では“報連相より、まず質問”を歓迎する文化がありました。
わからないことを素直に聞ける雰囲気が、安心につながっていました。
保育は“チーム”で進める仕事。信頼される新人は、「聞く力」がある人だと実感しています。
5. 怪我や事故の対応に緊張する
「転んだ」「ぶつかった」「噛んだ・噛まれた」…
トラブルが起きたときの対応に、私は本当に不安でした。
初めての報告書作成のときは、手が震えるほどでした。
でも、先輩に「自分を責めすぎないで。正確に“状況を伝える”ことが大切だよ」と言われ、少し救われました。
事故はゼロにはできません。だからこそ、日々の“ヒヤリ”を共有し合う文化が必要です。
6. 子どもの全員に目が行き届かない
一度に複数人の子どもを見ながら、「ちゃんと関われているのかな…」と感じることも多いと思います。
私の園では、“集団ではなく個を見て関わる”ことが基本。
一斉保育でも、言葉かけの内容やタイミングで「自分を見てくれている」と感じられるように意識しています。
短い時間でも「あなたを見ているよ」と伝える関わりが、子どもの安心につながります。
7. 自分に自信が持てない
「私、向いてないかも」
新人の頃、何度もそう思いました。
周りの保育士がみんなすごく見えて、比べてばかりいたからです。
でも、1年後に保護者の方にこう言われたんです。
「来年の担任も先生がいいなって子どもが言ってましたよ。」
それだけで、涙が出るほど嬉しかった。
誰かの“評価”ではなく、“子どもとの関係”に自信を持っていい。
日々の関わりの中に、あなたらしさが必ず表れています。
■ おわりに
保育士1年目は、正直しんどいことも多いです。
でも、“困った”の数だけ、“気づき”と“成長”があります。
今回の7つの悩みも、私自身が実際に経験したものばかり。
だからこそ、今悩んでいるあなたに伝えたいです。
「あなたは、ちゃんと頑張ってるよ」
「その悩みは、いつか“糧”になるから、大丈夫だよ」
※この記事は現役保育士の実体験をもとに再構成しています。
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