チームで保育するってどういうこと?現場で学んだ連携

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「チームで保育をする」──よく聞く言葉だけど、正直、新人の頃はよくわかりませんでした。
保育は子どもと自分、1対1の関係の中で向き合うものだと思っていたんです。
でも、現場で経験を重ねていくうちに気づきました。

「信頼できる大人たちが一緒に子どもを支えている」ことこそが、チーム保育の本質なんだと。

今回は、私が実際に保育現場で経験した「チーム保育」のエピソードをもとに、
保育士目線・保護者目線の両方から、チーム連携の大切さについてお話しします。


■ ひとりで抱えてしまったあの頃

私が初めて担任を持ったのは2歳児クラス。
「自分のクラスの子どもたちは、自分がちゃんと見なきゃ」と力が入っていました。

でもある日、Aくんが友だちに手を出し、その対応に追われていたら、別の場所でBちゃんが泣いていました。
「どうして気づけなかったんだろう」
その日、私はすっかり落ち込んでしまいました。

そのとき、先輩がそっと声をかけてくれました。

「気づけなかったんじゃなくて、気づけない状況だったんだよ。だから私たちがいるの」

その言葉に、肩の力がふっと抜けました。


■ 私の園で大切にしている「声かけ」

私の園では、保育中のちょっとした声かけを大事にしています。

「そっちどう?トイレ行けた?」
「〇〇くん、今日は落ち着いてる?」
「こっちは手が足りそう?」

こんなふうに、保育の合間にスタッフ同士が声をかけ合うんです。

この習慣があることで、困っているときに「助けて」と言いやすくなるし、
誰かが気づけば、全体がスムーズに回るようになります。

チームで保育することは、目の前の子どもだけでなく、「現場全体」を一緒に見ることだと実感しています。


■ 保護者が感じる「チーム力」

ある保護者の方に、面談でこんなふうに言われたことがあります。

「先生たち、連携が取れてるって感じるんです。誰に相談しても同じ温度感で返してくれるので安心します。」

私は内心、とても嬉しかったです。

というのも、園では引き継ぎノートや日々の口頭報告を丁寧に行い、
保護者対応の方針をチームで共有することを大事にしているからです。

たとえば、Cちゃんのトイレトレーニングで保護者が悩んでいたとき。
担任の私だけでなく、フリーの先生や他クラスの職員も「今日、Cちゃんこんなふうに頑張ってましたよ」と声をかけてくれていたそうです。

その積み重ねが、保護者の安心につながっていたのだと気づきました。


■ チームだからこそ、子どもが育つ

ある日、少しこだわりが強くて関わりに時間がかかるDくんに、
私が付き添っていたときのこと。

その間にEちゃんが「先生、こっち来て!」と呼びにきましたが、私は手が離せませんでした。
すると近くにいた他の先生が「Eちゃん、今Dくんと約束してるからね、待ってくれてありがとう」と対応してくれたのです。

私がその場を動けなくても、誰かがフォローしてくれる。
それが子どもたちの「安心」にもつながっているのだと実感しました。

ひとりで完璧を目指すより、「一緒に保育する」という信頼のほうが、ずっと大事。


■ おわりに:チームでいるから、私も育ててもらえた

「自分がしっかりしなきゃ」と思っていた新人時代。
でも今は、**「頼ることも、保育の力」**だと感じています。

チームで保育をするということは、
子どもだけでなく、自分自身も守ってもらいながら育ててもらっているということ。

そんな環境に支えられて、私は今も保育士を続けられています。


※この記事は現役保育士の実体験をもとに構成しています。

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