1歳児は、できること・やってみたいことがどんどん増える時期。
「じぶんで!」という気持ちを大切にしながら、室内でも心と体をしっかり育てる遊びを取り入れていきたいですね。
今回は、現役保育士である私が日々の保育の中で実践している、1歳児にぴったりの遊びを5つご紹介します。
遊び1|ぽっとん落とし(手作りおもちゃ)
■ねらい
・手先の動きを促す
・集中力を育てる
・「できた!」という達成感を味わう
■用意するもの
・蓋つきの空容器(ミルク缶やおしりふきケースなど)
・穴を開けたフタ(サイズは誤飲防止を考慮)
・ペットボトルキャップやフェルトボール
■遊びの内容
穴にキャップを入れて「ぽっとん」と落とす遊び。
最初は一緒に手を添えて遊び、慣れてくると一人でも夢中になります。
■私の園ではこうだった
1歳3ヶ月のKくんは、最初はキャップをつかんでなめてしまうだけでしたが、保育士が「ここに入れてみようか」と声をかけて何度か一緒に繰り返すと、ある日自分から穴にキャップを入れられるように。
その瞬間、顔がパッと明るくなって「もっとやる!」とぐんぐん集中して遊ぶようになりました。
■保護者目線のポイント
家でも手作りしやすく、静かに遊べるのでおすすめ。
誤飲しないサイズの素材選びと、遊ぶときの見守りは必須です。
遊び2|シール貼りあそび
■ねらい
・指先の力と操作性を育てる
・「貼る」「はがす」動作の理解を促す
・好きな色・形に関心を持つ
■用意するもの
・大きめで剥がしやすいシール(丸型、動物型など)
・画用紙、厚紙などの台紙
■遊びの内容
シールを自由に貼る・はがす遊び。
保育士が台紙に絵を描いて「りんごに赤いシールを貼ろうね」と声をかけると、より楽しい展開に。
■私の園ではこうだった
シールを貼る遊びは特に人気で、Tちゃんは「できた!」という気持ちが強く、「先生見てー!」と毎回見せにきてくれました。
1歳後半になると、自分なりの「ここに貼りたい」が芽生え、創造力も少しずつ育まれているのを感じます。
■保護者目線のポイント
食事の支度中などにも横で楽しめる遊びです。
シールは100円ショップなどで手に入りますが、誤飲防止と誤って貼りつける場所には注意しましょう。
遊び3|トンネルくぐり(体を動かす遊び)
■ねらい
・全身運動を促す
・空間認知とバランス感覚を育てる
・「進む」「出る」など行動の理解を深める
■用意するもの
・布団・クッション・ダンボールなどでつくる簡易トンネル
■遊びの内容
ハイハイや歩行が安定してくる時期。
「こっちだよ〜」と声をかけながらトンネルをくぐる遊びは、笑いながら身体を動かすきっかけになります。
■私の園ではこうだった
運動遊びの日、みんなでクッションの間をくぐっていたとき、「もう一回!」の声があちこちから。
トンネルの先にお気に入りのぬいぐるみを置くと、Mちゃんは「待っててね〜」と話しかけながら一生懸命進んでいました。
■保護者目線のポイント
雨の日でも、クッションやテーブルを使って簡単に体を動かせます。
大人が一緒にやることで、安心感と関係づくりにもつながります。
遊び4|おままごと:にぎにぎキッチン
■ねらい
・模倣遊びを通じて社会性の基礎を育てる
・ごっこ遊びの始まりを体験する
・言葉のやりとりの楽しさを味わう
■用意するもの
・おままごとセット(布製や木製が安心)
・コップ・スプーンなどの道具
■遊びの内容
「どうぞ」「ありがとう」「もういっかい」など、簡単なやりとりを通じて、人との関わりや役割意識が育まれます。
■私の園ではこうだった
1歳8ヶ月のRちゃんが「ごはんできましたよ〜」とスプーンを渡してきたとき、「言葉のごっこ」が育っていることに驚きました。
保育士とのやりとりを通じて、真似から少しずつ“自分の遊び”へと広がっているのを感じました。
■保護者目線のポイント
実際の家事をしているとき、「お手伝い」風にスプーンやお皿を渡してあげると満足感が高まります。
遊びを通じて生活のリズムも伝えていけます。
遊び5|音のなるおもちゃ遊び(リズム感覚を育てる)
■ねらい
・音の違いを楽しむ
・手を動かして音を鳴らす喜びを感じる
・リズムやテンポを体で感じる
■用意するもの
・手作りマラカス(ペットボトル+小豆やビーズ)
・カスタネットや鈴などの楽器
■遊びの内容
音を鳴らして、保育士が歌に合わせて「シャカシャカ〜」と鳴らすと、子どもも一緒に手を動かします。
「できた音」を大切に受け止めてあげることがポイント。
■私の園ではこうだった
Uくんは音に敏感で、マラカスの音がするとパッと表情が明るくなります。
一緒に「ぞうさん」「きらきら星」を歌いながら楽器を鳴らすと、次第にリズムに合わせて揺れたり笑ったりするようになりました。
■保護者目線のポイント
ペットボトルマラカスは簡単に作れておすすめ。
使う素材は、誤飲防止のためにも必ずテープなどでしっかり固定しましょう。
まとめ
1歳児は、自我が芽生え、「やりたい!」「見てて!」という気持ちが大きくなる時期。
室内でも子どもたちの成長をしっかりサポートするには、“やってみたい気持ち”を尊重しながら、保育士や大人とのやりとりを重ねることが大切です。
私自身も、日々のあそびの中で「この子はこういう表情をするんだ」「こんなことができるようになったんだ」と驚かされることばかり。
遊びを通して、子どもと一緒に育つ保育をこれからも大切にしていきたいと思います。
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