~現場で学んだ“伝わる”コミュニケーション~
実習中、子どもとどう関わればいいのか。
これは私が実習生の頃、ずっと悩んでいたテーマです。
子どもに話しかけようとしても、
「何て言えばいいんだろう?」
「距離が近すぎてもよくないよね…?」
と戸惑ってばかり。
今回はそんな当時の私の体験を交えながら、
実習生として子どもと関わるときに意識していた声かけのコツや、
実際に現場で見てきたやりとりをまとめました。
実習生の頃の私|“うまく話せない”焦りと空回り
実習初日、3歳児クラスに入った私は、どこに立っていればいいのかも分からず、
周りの先生方の動きに合わせるのがやっとでした。
子どもたちは元気いっぱい。
でもいざ関わろうとすると「なんて話しかければいいの?」と、頭が真っ白。
無理に話しかけると「誰?」というような不思議そうな目。
反対に、距離を取ると「実習の先生、全然しゃべらないね」とひそひそ。
「もっと自然に関わりたいのに…」
そんな葛藤を抱えながら過ごしていました。
現在の私が保育士として実習生に伝えること
保育士になった今、実習生を受け入れる立場になりました。
私が必ず伝えるのは「たくさん話しかけるより、“耳を傾ける”が大事」ということ。
うちの園では、実習生が来たときには
まず子どもたちの輪に自然に入ること、
そして“観察してから声をかける”ことを意識してもらっています。
最初の関わりはたとえば、
「それ、なに作ってるの?」「色、きれいだね!」のように
子どものやっていることに“気づく”視点から始めます。
私の声かけメモ|実習で実際に使った言葉
① 共感+質問
「すごい!こんなに高く積んだんだね。どうやったの?」
→ 子どもが自分の活動に自信を持てるような言葉を意識。
② 気持ちの代弁
「イヤだったんだね」「こうしたかったんだよね」
→ トラブル時には“気持ちを言葉にする”ことで信頼関係が生まれました。
③ 静かな場面では小さく話す
大きな声でテンションを上げすぎると、クラス全体がざわついてしまうことも。
私の園では「トーンを落とす=子どもを落ち着かせる」場面が多く見られました。
保護者目線で考える、実習生の存在
保護者から見たとき、実習生は「もうひとりの先生」でもあります。
保育中の関わりだけでなく、朝や帰りの会での挨拶や、立ち振る舞いも見られています。
でも、だからこそ丁寧な関わりが印象に残るのも事実です。
実習生が子どもに優しく寄り添っていたとき、
「実習の先生、あの子と仲良くしてくれてありがとうございます」と
保護者から声をかけられる場面も何度も見てきました。
最後に|“関わり方”は経験の中で育つもの
実習中は「うまく話せなかった」「もっと関わればよかった」と
落ち込むこともあるかもしれません。
でも、声かけは経験とともに必ず磨かれます。
私も今でも「今日はもっとこう声をかけられたかも」と反省する日があります。
子どもの目線に立ち、「一緒に楽しもう」と思える気持ちこそが、
なによりのコミュニケーションになると実感しています。
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