~「私の園ではこうだった」現場のリアルな変化と気づき~
こんにちは。今回は、私が勤務する保育園で実際に体験した「ICT化による情報共有の変化」についてお話しします。
数年前まで、私たちの園では、連絡帳も日誌もすべて手書き。職員同士の申し送りも、基本は口頭かホワイトボードに記入するスタイルでした。でも、そのやり方にはいくつか課題がありました。
手書き・口頭の限界を感じていた日々
たとえば、子どものお昼寝中に体調の変化があっても、次のシフトの先生にそれを伝え忘れてしまうことがありました。
また、「昨日の○○ちゃんの様子ってどうだったっけ?」と情報をさかのぼる時も、過去の記録を手書きで探すのは時間も手間もかかりました。
それに加え、忙しい夕方は、保護者対応やお迎えラッシュで申し送りがあいまいになりがちでした。職員間で情報がズレることで、保護者とのやりとりにも少なからず影響が出ていたと思います。
ICT導入でどう変わった?
そんな中、園として思い切って「保育ICTシステム」を導入することに。初めは戸惑いもありましたが、今ではなくてはならない存在になりました。
1. 子どもの記録をリアルタイムで共有
午睡のチェックや排泄、食事の様子などをタブレットで入力すれば、他の職員もすぐに確認できます。
誰かが休んでも、記録を見れば流れが分かる。引き継ぎの精度が格段に上がりました。
「○○ちゃん、今日は午前中ちょっと元気がなかったんだよね」という情報も、午後勤務の職員が事前に把握しておけるので、より丁寧な保育ができるようになりました。
2. 保護者への伝達が正確かつ一貫性のあるものに
職員間での情報のズレが減ったことで、保護者への説明もぶれなくなりました。
例えば、トイレトレーニング中の子どもに関して「今日はトイレで1回成功しましたよ」という記録があれば、担任以外の職員が迎え時にその話をしても安心。
保護者の方からも、「あ、先生たちでちゃんと共有してくれてるんだなって安心します」と言われるようになりました。
保護者の声:安心感とつながりの実感
ICT導入後、保護者の方からはこんな声が寄せられています。
「お迎え時に、担任の先生じゃなくてもその日のことをきちんと教えてくれて、園全体でうちの子を見てくれているような感じがします」
「連絡帳アプリで保育中の写真を見られるようになって、園での様子が見える化されてうれしいです」
ICTは無機質な印象を持たれがちですが、実際には“人と人をつなげる補助ツール”としての役割を果たしてくれていると感じます。
保育士として感じたこと
正直に言えば、ICT導入に不安がなかったわけではありません。「機械に強くない」「タブレット操作が難しそう」など、抵抗感があった職員もいました。
でも、やってみると意外とシンプル。操作も慣れてしまえば手書きよりラクでしたし、何より「伝えることに集中できる環境」が整ったことで、保育に余裕が生まれました。
おわりに:ICTは“保育の質”を支える土台
ICTは魔法の道具ではありませんが、使い方によっては、職員のチームワークや保護者との信頼関係を深める大きな力になります。
「情報共有がうまくいかない…」と悩んでいる園こそ、小さな一歩としてICT化を検討してみてはいかがでしょうか。
私たちの園のように、「伝わる」「つながる」保育が、きっとできるようになります。
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