― 保育現場と家庭でできる、子どもを守る工夫 ―
はじめに
6月は気温も湿度も上がり始め、子どもたちの体調管理が難しくなる季節。
現役保育士として働く中で、毎年この時期は「またこの季節が来たな…」と身が引き締まる思いになります。
今回は、私が実際に経験したエピソードや、園での取り組みを紹介しながら、6月に増える体調リスクとその予防策を保育士目線・保護者目線の両方でお伝えします。
リスク①:熱中症 ― 室内でも油断できない
【私の園での出来事】
ある年、6月中旬の蒸し暑い日に、室内遊びをしていた子が顔を真っ赤にして座り込みました。
外遊びではないからと油断していた私たちは、そのとき**「室内熱中症」の怖さ**を改めて実感しました。
【保育士としての対応】
- 室内でもこまめな水分補給を促す
- 子どもの様子(顔色・発汗・呼吸)を常に観察
- エアコン+換気を両立し、室温と湿度を適正に保つ
【保護者への共有ポイント】
- 登園前に水分をとらせておく
- 汗を吸いやすい素材の服装
- 替えの服を多めに用意してもらう
「家でもすぐ汗をかくんです」と保護者と話すことで、園と家庭で同じ意識を持ってケアする大切さを感じました。
リスク②:あせも・湿疹 ― 蒸れと汗の影響
【私の園での対応】
外遊びやお昼寝の後、子どもの首や背中、膝裏にあせもができるケースが増えます。
そのため園では、
- 汗をかいたらすぐに着替え
- シャワーやおしぼりでのふき取り
- 通気性の良い服・肌着の提案
を徹底しています。
【体験談】
ある子は肌が弱く、ちょっとした蒸れで湿疹がひどくなるタイプでした。
保護者と連携して「お昼寝の後は汗をふいてから起こす」など、細かく対応を工夫し、その子も快適に過ごせるようになりました。
【家庭でもできること】
- 毎朝、着替え前に保湿をひと手間加える
- 汗をかいたら着替える習慣をつける
- 肌の状態に応じて衣類を調整する(通気性重視)
リスク③:急な体調不良 ― 気温差とウイルスの影響
6月は「気温差」が大きく、風邪症状やお腹の不調が急に出ることがあります。
また、湿気でウイルスが長く生き残りやすくなるため、胃腸炎や手足口病などの感染症も増える時期です。
【園での予防策】
- 食前後の手洗い指導の強化
- 感染症が出た場合の迅速な情報共有
- 睡眠・食事・排便状況の変化を毎日観察
【保護者とのやりとり】
「朝は元気そうだったけど、昼から熱が出ました」
こんなケースが増える時期。
連絡帳だけでなく、送迎時にこまめな情報交換をするようにしています。
まとめ:園と家庭の“ちょっとした一手間”が、子どもを守る
6月は子どもの身体にも、保育士や保護者の関わりにも負担がかかる季節。
でも、予防の視点で少し先を読んだ対応をするだけで、大きなトラブルを防ぐことができます。
私はこの時期こそ、「一人ひとりの体質や様子をよく見ること」「保護者としっかり対話すること」が何より大切だと感じています。
子どもたちが元気に過ごせるよう、これからも園と家庭が手を取り合っていけたらと思います。
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