梅雨の訪れとともに、戸外活動が制限されがちな6月。
しかし、想像力が広がり、友達とのやりとりが豊かになる4歳児にとって、室内でも十分に遊びや学びを深めることができます。
ごっこ遊びや集団活動を通して、協調性や感情のコントロールが育ち始めるこの時期は、保育者の働きかけ次第で「雨の日」も特別な保育の時間に変わります。
この記事では、4歳児の発達の特徴と6月の気候をふまえた月案文例を、五領域に沿ってわかりやすくご紹介します。
月案作成に悩む保育士さん、新人の先生、もう少し言葉のバリエーションを増やしたい方に役立つ内容です。
◎ねらい
・梅雨の季節を感じながら、室内外の遊びを楽しむ。
・友だちとの関わりを深め、思いを伝え合いながら遊ぶ。
・生活や遊びの中で簡単なルールを意識し、守ろうとする気持ちを育てる。

年長に向けてルールの大切さを少しずつ知っていって欲しいですね!
◎生命
・汗をかいた後の着替えや水分補給など、衛生的に過ごす習慣を身につける。
・蒸し暑さなどで不快さを感じたときに、自分で気づき伝えられるようになる。
保育者の配慮
・衣服の着替えやタオルの扱いなど、衛生面の自立を促す声かけを行う。
・暑さや湿度による体調変化に気づき、休息や水分補給をこまめに行う。
◎情緒
・雨の日の遊びや行事を通して、季節の楽しさを感じる。
・気分の波に寄り添ってもらいながら、気持ちを安定させて過ごす。
保育者の配慮
・雨の日でも楽しめる室内活動を用意し、気持ちが落ち着くように工夫する。
・情緒的に不安定な時期に、丁寧な関わりや肯定的な声かけを意識する。
◎5領域
【健康】
・湿度の高い時期も快適に過ごせるよう、汗の処理や清潔を意識する。
・十分な水分補給や休息を取り、体調を崩さずに過ごす。
保育者の配慮
・活動と休息のバランスを考えた一日の流れを作る。
・自分から「暑い」「疲れた」などの気づきを伝えられるようにする。
【人間関係】
・友だちとのやりとりを通して、相手の気持ちに気づこうとする。
・トラブルがあっても、自分の思いを言葉で伝えようとする。
保育者の配慮
・感情がぶつかる場面で、思いを代弁しながら関わり方を伝える。
・役割のある遊びを通して協力する楽しさを感じられるよう援助する。
【環境】
・雨や水、風など、季節特有の自然に興味を持つ。
・身の回りの変化に気づき、自分で整理・整頓する力を育てる。
保育者の配慮
・雨の日の散歩や観察を通して、自然の魅力に気づけるよう促す。
・持ち物の整理や準備など、生活習慣を育てる機会を大切にする。

雨の日のお散歩すごく楽しそうですね!いつものお散歩とは違う特別感が子どもたちにとって興味を持つきっかけになりそうです!
【言葉】
・友だちや保育者との会話を楽しみ、気持ちや出来事を伝えようとする。
・季節に関する言葉(あめ、かたつむり、ながぐつ)に親しむ。
保育者の配慮
・子どもが語ったことに興味を持ち、深く関わるやりとりを心がける。
・季節や日常の中で生まれる言葉に触れる活動を取り入れる。
【表現】
・雨や水をテーマにした製作や絵画などで、自由に表現する。
・梅雨の自然や生き物を題材にしたごっこ遊びを楽しむ。
保育者の配慮
・身近な素材や季節感のある題材を取り入れ、表現の幅を広げる。
・「描きたい」「作りたい」という気持ちを大切にし、活動を支える。
◎食育
・湿気や暑さに負けない食事の工夫(酢の物・水分補給)を知る。
・苦手な食材にも少しずつ挑戦し、食べる喜びを味わう。
◎家庭との連携
・汗をかく季節に合わせた着替えやタオルの準備について協力をお願いする。
・水分補給や体調の変化について、家庭での様子を共有する。
・梅雨の時期の健康管理について情報を共有する。

汗をかいたら着替えるのはなぜか。など、おたよりで理由も説明すると保護者からの信頼度もアップしますよ!
◎職員間の連携
・季節の変化に伴う体調不良や情緒の揺れに気づき、職員間で情報共有を行う。
・衣服や持ち物の管理など、家庭と園との連携がうまくいくように調整する。
・活動計画を共有し、子どもが安心して過ごせる環境づくりを意識する。
◎行事
・歯科健診
・保育参観
・時の記念日(時計遊び)
・誕生会
・避難訓練
まとめ
活動が思うように進まない6月は、保育士にとっても工夫と柔軟さが求められる時期です。
でもそんな中で、4歳児たちは「友達と一緒にやってみる」「自分の気持ちをことばで伝える」など、大きな育ちを見せてくれます。
今回ご紹介した4歳児の6月月案文例が、日々の保育にそっと寄り添い、計画づくりの一助になれば嬉しく思います。
季節の変化を味方につけ、仲間とのつながりを深める1か月になりますように。
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